陰部にイボができた!
もしかしたら、そのイボは尖圭コンジローマという病気かもしれません。
男女ともに若い人が感染しやすい尖圭コンジローマについて、原因や症状、治療法を調べてみました。
皮膚のなかでも湿った部分に多発する、直径1~3ミリの大きさの乳頭状~鶏冠状(鶏のトサカ状)またはカリフラワー状の疣状丘疹(イボ)です。表面は柔らかく、紅~褐色、白色と色は様々です。
性感染症のなかでは、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症に続いて報告が多い病気で、日本では1年間に約5400人が発症していると考えられています。
感染により皮膚に結節を形成するウイルスである、ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus: HPV)が尖圭コンジローマの原因です。
HPVにはウイルスの遺伝子の配列によって分類される100種類以上の型があり、尖圭コンジローマはその中でも主にHPV6型と11型の感染が原因となっています。
性行為やそれに類する行為によってHPVが性器の皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。
尖圭コンジローマの患者は10代後半~30代の性活動が活発な若い人が中心です。男女別でみると、男性は25~29歳にピークが来るのに対し、女性は20~24歳がピークで、女性の方が男性よりも年齢層が少し低い傾向があります。性行為の経験がある人なら誰でも感染・発症する可能性がある病気です。
男性では陰茎の亀頭部・冠状溝・包皮、陰嚢、女性では膣・陰唇・子宮口、男女共通の部位としては肛門・尿道口に好発します。
一般に自覚症状はほとんどありませんが、大きさや発生部位により、痛みや痒みが出ることも稀にあります。
最初のイボができてから短期間で次々と新しいイボができていきます。また、治療しても他の部位への接触転移が多く再発を繰り返すことが多くあります。
◇尖圭コンジローマの検査方法・診断
典型的な尖圭コンジローマは形が特徴的なので、視診(形を見て診察すること)により診断されます。
HPVは皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染するため、感染を予防するためにはコンドームの使用が効果的です。外陰部にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがある方は特に感染しやすいので、注意が必要です。
潜伏期間が3か月程度と長いので、いつ感染したのかを特定できないことがほとんどです。
性器から感染するので、コンドームの使用が一番の予防です。しかし、コンドームで覆いきれない部分に感染がある場合はコンドームでは予防しきれません。治療中はパートナーに移してしまう可能性があるので、性行為は避けましょう。
性感染症であるので、本人が治癒してもパートナーがHPV に感染している限り再感染の可能性があります。パートナーも必ず専門医を受診し、症状があれば治療をすることが重要です。
HPVには、良性型と悪性型があり、尖圭コンジローマは主に良性型のウイルスが原因といわれています。しかし、尖圭コンジローマにかかった人の中から、悪性型のHPVが同時に発見されることがあります。男性の場合、この悪性型のHPVは陰茎がんに関わりが深く、またパートナーに対して子宮頸がんを引き起こすことがわかっています。子宮頸がんのためのワクチンのうち、4価ワクチンというワクチンは尖圭コンジローマの原因となるHPVの型も予防することができます。
出産時に産道で母から子へHPVが感染する「垂直感染」を起こすことがあるので、妊婦が発症した場合は出産までに治療を終了する必要があります。
腟内にコンジローマが多発している場合や非常に大きなコンジローマでは帝王切開が必要になることがあります。生まれてきた赤ちゃんがHPVに感染した場合、稀にのどにイボができる 「再発性呼吸器乳頭腫症」という病気になることがあるからです。再発性呼吸器乳頭腫症を発症した赤ちゃんは、一生を通して声がかれたりイボが大きくなることで呼吸困難になったりして命にかかわることもあります。イボを取り除くため、手術を繰り返すことも稀ではありません。そのため、子作りを考えている女性はもちろん、パートナーである男性も検査はとても重要です。
参考になりましたでしょうか?
尖圭コンジローマは1~3ミリの大きさの鶏のトサカ状、カリフラワー状のイボで、性行為によってヒトパピローマウイルスに感染して生じる性感染症の一つです。塗り薬や、液体窒素・電気メスを用いた外科的な治療で一旦は治すことができますが、非常に再発しやすい病気ですので、根気強い治療が必要です。コンドームの使用や、子宮頸がんワクチンの一部で予防することが可能です。感染している間は性行為によってパートナーにも移してしまうので、性行為は控えましょう。
尖圭コンジローマを疑ったら、女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科・皮膚科に相談してください。男性限定ですが、当院でも診察が可能です。
この記事の監修医師
東京上野クリニック上野本院院長
約28年間、包茎専門として経験を重ね、およそ1万5千件の手術をしてきました。
その、豊富な実績により、どんな症例でも対応できる包茎手術のエキスパートです。
是非一度、無料カウンセリングで直接お悩みをご相談ください。患者様がご満足いただけるご提案をさせていただきます。
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