性器に関する悩みはデリケートな問題なので、なかなか他人に相談することが出来ないかと思います。
しかし性器の異常には不妊や重篤な症状に至る癌、クラミジア、淋病、エイズなどがあり予断を許しません。
一方で特に治療を必要としないイボなどもあります。いずれにせよ自己判断による放置や処置は避けて異常を感じたら一度、病院で診察を受けることで不安の多くは解消されます。
性器の異常は泌尿器科、美容外科、形成外科で診てもらうことが出来ますので受診をおすすめします。
突起状の男性器である陰茎は左右対称な陰茎海綿体と、その中を通る尿道で構成されています。
それぞれの海綿体は強靭で弾力性のある薄膜に包まれており、その膜内には多数の血管が入り組んでいます。
陰茎の先端部分のキノコ状の亀頭と呼ばれる部分は陰茎を包み込む包皮という皮によって部分的あるいは全体的に包まれている湿り気のある傷つきやすい部分です。
陰茎のトラブルとして感染症やイボなどが知られていますが真珠様陰茎小丘疹あるいはフォアダイスと呼ばれるものがあります。
真珠様陰茎小丘疹とは、亀頭のカリ部分に規則正しくリング状に並んでできる白いブツブツのことです。
一方、フォアダイスは陰茎部に見られる白いブツブツのことですが 、できる部位によって名前が違っています。
似たような症状にパピローマウイルス感染による尖圭コンジローマがあり、この病気は無治療で放置すると性感染症としてパートナーに感染させてしまうリスクやまれにガンの発生に関連することがあるので、このようなボツボツを見つけたら、一度は病院で診察を受けることをお勧めします。
乾燥から守るために皮膚には皮脂を分泌する皮脂腺があります。皮脂腺は皮膚にある毛穴あるいは単なる穴の側面にある横穴を埋めるように存在しています。
何故このような状態になるのか、その原因は分かっていませんが、不衛生な状態が持続することでできるともいわれています。
真珠様陰茎小丘疹は人種差、住んでいる地域の違いや性差などとは関係なく出来ることが報告されています。また宗教上の理由で陰茎の皮の一部を切り取る「割礼」という風習がありますが、割礼を受けた人よりも受けていない人で症状が出やすいことも知られています。
癌や感染症とは違い生理的現象ですので見た目を気にする理由以外では治療の必要はありません。
しかし似た様な症状に尖圭コンジローマという治療が必要な感染症もありますので、一度は診察を受けた方が良い症状です。
真珠様陰茎小丘疹は陰茎のカリの部分である亀頭冠の周りに1列あるいは2列の1~2mm大から1-4mm大の光沢のある小丘疹、いわゆるボツボツが真珠の首飾りのように並んでいる状態です。一方、フォアダイスは、陰茎部にボツボツができます。
どちらも、人によって形、大きさ、色は様々です。色はピンク、白色、黄色などがあります。痛みやかゆみは無いのですが、包茎の方ですと亀頭冠も包皮に覆われており皮脂腺から分泌された皮脂が溜まりやすくなっています。溜まった皮脂は恥垢となり悪臭や細菌が増殖して炎症を引き起こすこともあります。
ボツボツの出来る部分が似ているため真珠様陰茎小丘疹と尖圭コンジローマは病院で診察を受けて判別してもらう必要があります。思春期の男性が尖圭コンジローマと勘違いして受診するケースが多い症状です。
治療が必要な尖圭コンジローマは赤いボツボツが亀頭冠から拡がっていきますが、真珠様陰茎小丘疹はボツボツが亀頭冠周囲にのみ現れるのが特徴です。
また尖圭コンジローマと違い真珠様陰茎小丘疹はブツブツの大きさが均一なのも見分けるポイントですが素人判断は危険ですので病院に行くことが必要です。
真珠様陰茎小丘疹と違い尖圭コンジローマはウイルス感染であり抗ウイルス薬の治療が必要です。放置しておくと癌に進展する怖い病気ですのでカリのブツブツには注意が必要です。
感染症ではないため性交渉によって感染させることなどはありません。放置していても問題になることは無いのですが、見た目は性病のようですので性交渉時にトラブルとなる可能性があります。
気軽に手近にある軟膏などを塗ってしまう方がいますが、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまい化膿する危険性があるのでお止めください。
また自分でイボを切除しようとすると陰茎の海綿体に入り込んでいる毛細血管を傷つけてしまい出血や化膿する場合があるので絶対に止めましょう。
ボツボツを除去する手術は美容外科や形成外科など専門の病院で治療を受けてください。
治療法としては電気メスやレーザー治療による手術があります。電気メスでイボを焼く方法やレーザーを照射してイボを蒸散させる方法は共に出血や痛みの少ない方法です。さらに痛みに関しては表面麻酔などの麻酔で対処していただけますし、手術後の痛みを和らげるためにスプレーやテープなどの麻酔薬が頂けます。
手術後は軽く患部に包帯がまかれた状態となり患部を濡らさないようにすれば手術当日からシャワーも浴びれますし、数日後には入浴も可能です。
さらに通院の必要は無くスポーツや自電車に乗ることも問題はありません。電気メスやレーザー治療によるボツボツの除去手術は医療保険による補助がないため全額自己負担の自由診療となります。
生理的現象ですので予防法はありません。また真珠様陰茎小丘疹は女性でも膣前庭から小陰唇にかけて乳糖状のイボとして現れますが、性病などの感染症でもないので予防のために性交渉を控える必要もありません。
真珠様陰茎小丘疹は陰茎のカリの部分に真珠の首飾りのように1重あるいは2重のボツボツが出来る症状で、フォアダイスは陰茎部にボツボツができる症状です。皮膚の皮脂腺が外側に飛び出ているだけの生理的現象で感染症や癌など治療を必要とする症状ではありません。
しかし似た様な症状にウイルス感染症である尖圭コンジローマがあり、この病気は放置するとまれにガンになる可能性もあります。このようなボツボツを見つけた場合は一度、病院で診察を受けることをおすすめします。
ボツボツは外見上、性病と勘違いされやすいので除去を希望される方は美容外科や形成外科で治療を受けられます。くれぐれも自己判断で放置することや自分でボツボツを切除することは危険なので避けてください。
この記事の監修医師
東京上野クリニック上野本院院長
経歴