梅毒は完治しないって本当?検査数値が意味する治癒の基準と治療法
梅毒は「一度感染すると一生治らない」と不安を抱える方が少なくありません。しかし、現代の医学では抗菌薬で治療すれば完治を目指せる病気です。
完治しないと誤解されやすい背景には、血液検査の仕組みや、症状が一時的に消える梅毒特有の性質が関係しています。
梅毒の完治を判断する基準や、治療期間、再感染を防ぐための注意点を詳しく解説します。
梅毒は「完治しない」って本当?抗菌薬の治療で完治を目指せます
梅毒は不治の病ではなく、医療機関で抗菌薬の治療を受ければ完治を目指せる性感染症です。かつては命に関わる病気でしたが、現在は有効な治療法が確立されています。ただし、症状が一時的に消える期間があるため、治ったと勘違いして放置してしまうケースも少なくありません。
ペニシリンの普及により現代は治癒可能になった
ペニシリン系抗菌薬の登場により、梅毒は治癒可能な病気となりました。
かつて有効な治療薬がなかった時代は、進行すると死に至る恐れのある恐ろしい病気として知られていました。しかし、現在では医療機関で処方される抗菌薬を正しく使用することで、体内の梅毒トレポネーマ(病原菌)を死滅させることが可能です。
不治の病というイメージは過去のものであり、早期に治療を開始すれば後遺症を残さず完治を目指せます。
症状が消える無症候期を治ったと勘違いしやすい
梅毒には、治療をしていなくても一時的に症状が消える「無症候期」が存在します。
感染から数週間から数ヶ月経つと、初期のしこりや発疹などの症状が自然に消退することがあります。この現象を「自然に治った」と勘違いして治療を中断したり、受診を遅らせたりするケースが少なくありません。
症状が見えなくなっても体内の病原菌は増殖を続けているため、医療機関での検査と治療が欠かせないといえます。
放置して病期が進行すると深刻な障害を残す
梅毒を放置して病期が進行すると、脳や心臓、血管などに深刻な障害を引き起こす恐れがあります。
感染から数年〜数十年が経過した晩期梅毒(第3期・第4期)になると、ゴム腫と呼ばれる腫瘍ができたり、神経梅毒として認知機能の低下や麻痺が現れたりします。現代ではここまで進行する前に発見されることがほとんどですが、放置すれば取り返しのつかない後遺症が残るリスクはゼロではありません。
疑わしい症状がある場合や、感染の不安がある場合は、早急に医師の診察を受けてください。
「梅毒が完治しない」と誤解される血液検査の仕組みと数値が意味すること
梅毒が完治しないと誤解される最大の理由は、血液検査の数値の動きにあります。梅毒の検査には主に「RPR法」と「TP抗体法」の2種類があり、それぞれ測定する対象や完治後の反応が異なります。検査方法の違いを以下の表に整理します。
検査方法 | 測定対象 | 完治後の反応 |
RPR法 | 脂質に対する抗体 | 数値が低下し、陰性化することもある |
TP抗体法 | 梅毒トレポネーマに対する抗体 | 陽性反応が一生続くことが多い |
完治の判定にはRPR法での数値低下を用いる
梅毒の完治(治癒)を判定する際は、主にRPR法の数値がどれだけ低下したかを確認します。
RPR法は、現在体内で梅毒が活動しているか(疾患の勢い)を示す指標です。治療を開始して抗菌薬が効いてくると、この数値は徐々に下がっていきます。
一般的には、治療前の数値から一定の割合まで低下した時点を「治癒」と判断します。完全にゼロ(陰性)にならなくても、医師が基準を満たしたと確認できれば治療は終了となります。
TP抗体法は治癒後も陽性反応が一生続くことが多い
TP抗体法による検査結果は、梅毒が完治した後も陽性反応を示し続けるのが一般的です。
この検査は、過去に梅毒に感染した際に作られた特異的な抗体を検出するものです。一度作られた抗体は体内に残り続けるため、病原菌が完全に消滅して治癒した状態でも、検査では陽性(感染の痕跡)となります。
この「ずっと陽性が出続ける」という事実が、「梅毒は一生完治しない」という誤解を生む大きな原因となっています。
感染していなくても陽性になる偽陽性が起こる
梅毒に感染していなくても、検査で陽性反応が出てしまう「偽陽性(ぎようせい)」が起こる場合があります。
特にRPR法では、自己免疫疾患や肝臓の病気、他の感染症などに罹患していると、梅毒ではないのに数値が高く出ることがあります。そのため、梅毒の正確な診断にはRPR法とTP抗体法の両方を組み合わせておこないます。
健康診断などで陽性と判定されても、必ずしも梅毒に感染しているとは限らないため、専門の医療機関で精密検査を受けて適応を確認してください。
梅毒が完治するまでにかかる治療期間と処方される薬
梅毒の治療は、医療機関で処方される抗菌薬を用いておこないます。治療期間は感染してからの期間(病期)によって異なり、数週間から数ヶ月に及ぶこともあります。治療には保険診療と自由診療があり、費用や処方される薬の選択肢が異なる場合があります。
抗菌薬の内服または注射による治療が基本となる
梅毒の治療は、ペニシリン系の抗菌薬を内服、または筋肉注射でおこなうのが基本です。
内服薬の場合は、毎日決まった回数を長期間飲み続ける必要があります。一方、筋肉注射(持続性ペニシリン製剤)は、病期によっては1回の投与で治療が完了することもあり、飲み忘れのリスクを防げるのが特徴といえます。
梅毒の治療は保険診療で受けることも可能ですが、プライバシーへの配慮や診療時間の柔軟性などを理由に、自由診療を選ぶ方も少なくありません。保険適用の場合の自己負担は数千円程度が相場となる一方、自由診療の場合はクリニックによって費用が異なります。自由診療では全額自己負担となる代わりに、匿名での検査や即日治療に対応している場合が多く見られます。治療に伴う主なリスクとして、薬のアレルギー反応や、治療開始直後に発熱や倦怠感が出る「ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応」が起こる可能性があります。
上野クリニックでは、患者様の状態に合わせた治療法を提案しています。
感染してからの期間によって完治までの長さは異なる
完治までにかかる治療期間は、梅毒に感染してからどのくらい経過しているか(病期)によって大きく変わります。
感染から1年未満の早期梅毒であれば、内服薬で2〜4週間程度の治療が目安となります。しかし、感染から1年以上経過している後期梅毒の場合は、8〜12週間ほどの長期間にわたって服薬を続けなければなりません。
早期に発見して治療を開始するほど、治療期間は短く済みます。
自己判断で服薬を中止すると悪化する恐れがある
処方された抗菌薬は、医師の指示通りに最後まで飲み切らなければなりません。
症状が消えたり、体調が良くなったりしたからといって自己判断で服薬を中止すると、体内に残っている病原菌が再び増殖してしまいます。さらに、薬が効きにくい耐性菌を生み出す原因にもなり、治療が難航するリスクが高まります。
完治したかどうかの判断は、血液検査の数値をもとに医師がおこなうため、必ず指示された期間は治療を継続してください。
性病が不安な方へ
上野クリニックでは性病の検査・治療に対応しています
全スタッフ男性 / 完全予約制 / 個室対応 / 全院駅から徒歩5分
検査費用
| 検査対応 | 検査方法 | 料金 |
| 淋病・クラミジア・一般細菌 | PCR尿検査 | 11,000円 (税込 / 1項目) |
| 一般細菌・カンジダ | 包皮培養 | |
| トリコモナス | 培地検査 | |
| HIV・梅毒・ヘルペス・B型肝炎・C型肝炎 | 血液検査 |
診察料が別途2,200円(税込)発生します
プライバシーに配慮した環境
上野クリニックは完全予約制で、医師を含む全スタッフが男性です。個室でのカウンセリング・診察に対応しており、周囲の目を気にせずご相談いただけます。全院が最寄り駅から徒歩5分以内にあり、仕事帰りや外出のついでにお越しいただけます。治療内容や費用はカウンセリング時にすべてご説明し、ご案内した費用以外の追加料金は発生しません。
梅毒の完治後に再発・再感染しないための予防策
梅毒は一度完治しても、再び感染するリスクがある病気です。免疫が獲得されないため、予防策を怠れば何度でも繰り返してしまいます。完治後の性行為の再開時期や、パートナーとの協力について整理します。
一度治っても免疫はできず何度でも感染する
梅毒は、一度完治しても体内に免疫(感染を防ぐ力)ができるわけではありません。
そのため、治療が終わって完全に治癒した状態であっても、梅毒トレポネーマを保有する相手と性行為をおこなえば、何度でも再感染(再発)してしまいます。
完治したからといって安心せず、コンドームを正しく使用するなど、日頃から安全な性行為を心がけることが予防の基本です。
完治後の性行為は医師の許可が出るまで控える
治療中や完治直後の性行為は、必ず医師から「再開してよい」という許可が出るまで控えてください。
自分では症状が治まったと感じていても、血液検査の数値が基準まで下がっていなければ、まだ他人に感染させるリスクが残っています。治療途中で性行為をおこなうと、パートナーにうつしてしまうだけでなく、自分自身の治療の妨げにもなります。
医師が血液検査の結果を確認し、治癒と判定するまでは性行為(オーラルセックスを含む)を避けるのが鉄則といえます。
パートナーも一緒に検査と治療を進めることが重要だ
梅毒の再感染を防ぐためには、パートナーも同時に検査を受け、必要であれば一緒に治療を進めることが不可欠です。
自分だけが治療をして完治しても、パートナーが感染したままであれば、性行為によって再び自分にうつされてしまう「ピンポン感染」が起こります。
梅毒は感染力が強いため、自分が感染していた場合はパートナーにも事実を伝え、速やかに医療機関を受診してもらうように促してください。
⚠ 包茎の方は
性病に感染しやすい
傾向があります
包茎が性病の感染リスクを高める理由
包茎の状態では包皮の内側に恥垢や湿気がたまりやすく、細菌やウイルスが繁殖しやすい環境になります。また、包皮の内側の粘膜は薄く傷つきやすいため、性行為時の微小な傷から病原体が侵入するリスクも高まります。WHOも2007年から包皮の状態が性感染症のリスク因子になり得るとして、男性の包皮切除を推奨しています。
※ 参考:WHO|Voluntary medical male circumcision for HIV prevention
包茎治療で感染リスクを下げられる可能性
南アフリカ・ケニア・ウガンダで行われたランダム化比較試験では、包皮切除を受けた男性のHIV感染リスクが48〜61%低下したと報告されています。さらに2017年のLancet Global Health誌に掲載された系統的レビューでは、包皮切除によりパートナーのクラミジア感染リスクが79%、梅毒が59%低減したというデータも示されています。
※ PMC|The role of STIs in male circumcision effectiveness against HIV / The Lancet Global Health|Effect of male circumcision on risk of STIs
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梅毒の治療や完治に関するよくある質問
梅毒の完治やその後の生活について、患者様から寄せられることの多い疑問にお答えします。献血や将来の妊娠への影響、治療中の数値の推移について解説します。
完治した後に献血はおこなえる?
梅毒に一度でも感染したことがある方は、完治した後であっても献血をおこなうことはできません。
日本赤十字社の基準により、梅毒の既往歴がある方の血液は献血の対象外とされています。これは、輸血を受ける患者の安全を最優先に確保するための措置です。
TP抗体法の検査では一生陽性反応が出続けるため、献血前の血液検査で過去の感染が判明します。
完治すれば将来子供を作る際に影響は出ない?
治療を受けて梅毒が完全に治癒していれば、将来子供を作る際に悪影響を及ぼすことは基本的にありません。
男性が完治していれば、精子を通じてパートナーや胎児に梅毒を感染させるリスクはなくなります。ただし、治療が不十分なまま妊娠に至ると、母子感染によって胎児に深刻な影響(先天梅毒)を与える恐れがあります。
将来の不安をなくすためにも、疑わしい場合は早めに検査と治療を完了させておくべきでしょう。
治療中なのに数値が下がらない理由は何?
治療中にもかかわらずRPR法の数値が下がらない場合、いくつかの理由が考えられます。
一つは、薬の飲み忘れや自己判断での中断により、十分な効果が得られていないケースです。また、治療期間中に新たな感染機会があり、再感染を起こしている可能性もあります。
指示通りに服薬しているのに数値が下がらない場合は、薬の種類や治療方針を見直す必要があるため、担当の医師に率直に相談してください。
まとめ
梅毒は、かつては不治の病とされていましたが、現在はペニシリンなどの抗菌薬治療によって完治を目指せる病気です。
「一生完治しない」と誤解されるのは、治癒後もTP抗体法の検査で陽性反応が出続けることや、免疫ができずに何度でも再感染することが主な原因です。完治の判断は、RPR法の数値低下をもとに医師が慎重におこないます。
放置すれば深刻な合併症を引き起こす恐れがあるため、疑わしい症状がある方や感染の不安がある方は、早急に医療機関を受診してください。上野クリニックでは、男性スタッフによる完全個室での対応など、プライバシーに配慮した環境で検査・治療をおこなっています。まずは医師に相談して、現在の状態や適応を確認することをおすすめします。
SUPERVISING DOCTOR
監修医師
東京 上野クリニック上野本院院長
堀瀬 忠直
約28年間、包茎専門として経験を重ね、およそ1万5千件の手術をしてきました。その、豊富な実績により、どんな症例でも対応できる包茎手術のエキスパートです。是非一度、無料カウンセリングで直接お悩みをご相談ください。患者様がご満足いただける提案をさせていただきます
経歴
- 1993年 山梨大学医学部卒業
- 1993年 山梨大学麻酔科入局
- 1995年 青梅市立総合病院勤務
- 1995年 東京上野クリニック入職
- 1997年 東京上野クリニック上野本院院長
- 2019年 ウエノスキンサポート名古屋医院院長
- 2021年 東京上野クリニック上野本院院長
