梅毒の血液検査結果の見方|TP・RPRの意味や陽性からわかること
健康診断や術前検査の血液検査で「梅毒陽性」や「TP」「RPR」といった見慣れない項目を目にし、不安を感じている方は少なくありません。梅毒の血液検査は、一般的な検査とは異なり、陽性と判定されても現在感染しているとは限らないという特徴があります。
梅毒の血液検査の仕組みや、TP・RPRといった項目の意味、陽性判定からわかる現在の状態について詳しく解説します。過去の感染の痕跡なのか、現在治療が必要な状態なのかを正しく見極めるための参考にしてください。
一般的な健康診断の採血で梅毒はわかる?
一般的な健康診断の血液検査では、梅毒の感染有無はわかりません。ただし、手術前の検査など特定の状況下では、感染症のスクリーニングとして梅毒の項目が含まれることがあります。
健康診断の基本項目には含まれないことが多い
会社の定期健康診断や人間ドックの基本コースに含まれる血液検査では、梅毒の項目は調べられません。一般的な健康診断は、生活習慣病や肝機能、腎機能などの状態を把握することが主な目的だからです。そのため、健康診断で異常がなかったからといって、梅毒に感染していない証明にはなりません。感染の不安がある場合は、医療機関で個別に性感染症の検査を受ける必要があります。
術前検査などでは感染症スクリーニングとして調べることがある
病気やケガで手術を受ける前の血液検査では、梅毒の項目が調べられるのが一般的です。これは医療従事者の針刺し事故などによる二次感染を防ぐための、感染症スクリーニング検査として実施されます。この術前検査をきっかけに、自覚症状がないまま梅毒の感染が発覚するケースは珍しくありません。
血液検査が調べる梅毒の2つの項目TPとRPR
梅毒の血液検査では、主に「TP抗体」と「RPR抗体」という2つの項目を調べます。それぞれの役割の違いは以下の通りです。
検査項目 | 調べる内容 | 特徴 |
TP抗体 | 過去の感染歴 | 一度感染すると完治後も一生陽性になりやすい |
RPR抗体 | 現在の活動性 | 感染初期から上昇し、治療によって陰性化する |
TP抗体は過去の感染歴を調べる指標
TP抗体検査は、梅毒トレポネーマという病原体そのものに対する抗体を調べる検査です。過去に一度でも梅毒に感染したことがあるかを確認するために用いられます。梅毒に感染すると体内にTP抗体が作られますが、この抗体は治療をして完治した後も体内に残り続ける性質があります。そのため、現在梅毒に感染していなくても、過去の感染歴があれば陽性と判定されるのが一般的です。
RPR抗体は現在の活動性を確認する指標
RPR抗体検査は、梅毒に感染した際に細胞が破壊されて生じる物質に対する抗体を調べる検査です。現在体内で梅毒がどの程度活動しているかを把握するために用いられます。感染初期から数値が上昇し、治療が効いて梅毒が治癒に向かうと数値は低下して陰性になります。治療の効果判定や、現在進行形で感染しているかを判断する上で欠かせない指標です。
結果票の見方|陽性と陰性の組み合わせで梅毒の何がわかる?
梅毒の血液検査結果は、TP抗体とRPR抗体の陽性(+)と陰性(-)の組み合わせによって、現在の感染状態を判断します。組み合わせによる状態の目安は以下の通りです。
TP抗体 | RPR抗体 | 考えられる状態 |
陽性(+) | 陽性(+) | 現在梅毒に感染している可能性が高い |
陽性(+) | 陰性(-) | 過去に感染して完治した痕跡(治療不要) |
陰性(-) | 陽性(+) | 感染初期、または梅毒以外の原因による偽陽性 |
陰性(-) | 陰性(-) | 梅毒に感染していない(または感染直後) |
どちらも陽性の場合は現在感染している可能性が高い
TP抗体とRPR抗体の両方が陽性と判定された場合は、現在梅毒に感染しており、治療が必要な状態と考えられます。過去に感染して完治した方が再感染した場合も、この組み合わせになります。自覚症状がなくても体内で病原体が活動している状態であるため、放置せずに速やかに医療機関を受診して治療を開始しなければなりません。
TPのみ陽性と判定されるのは過去に完治した痕跡を示す
TP抗体が陽性でRPR抗体が陰性の場合は、過去に梅毒に感染し、すでに完治している状態を示します。TP抗体は一度作られると一生体内に残り続けるため、昔の感染の痕跡が検査結果に現れているだけと判断されます。現在体内で梅毒は活動していないため、基本的には新たな治療は必要ありません。
RPRだけがプラスとなるケースは感染初期や偽陽性が疑われる
TP抗体が陰性でRPR抗体のみが陽性となる場合は、2つの可能性が考えられます。1つ目は、梅毒に感染して間もない初期段階です。RPR抗体はTP抗体よりも先に陽性になる性質があるため、感染直後に検査を受けるとこの結果になることがあります。2つ目は、梅毒に感染していないのに陽性と出てしまう「偽陽性」です。この結果が出た場合は、一定期間を空けてから再検査をおこない、正確な状態を確認します。
梅毒ではないのに血液検査が陽性判定になる偽陽性が起こる理由
梅毒に感染していないにもかかわらず、血液検査で陽性(特にRPR抗体が陽性)と判定される現象を「偽陽性」と呼びます。偽陽性は、体内の免疫反応が梅毒以外の要因に反応してしまうことで起こります。
代表的な原因として、関節リウマチなどの自己免疫疾患、マイコプラズマ肺炎や結核などの他の感染症、肝疾患などが挙げられます。また、高齢者の方でも加齢による免疫系の変化で偽陽性が出やすくなると考えられています。RPR抗体のみが陽性で感染の心当たりが全くない場合は、偽陽性の可能性を視野に入れて医師が慎重に判断を下します。
感染の心当たりから梅毒検査を受けるまでの目安期間
梅毒の血液検査で正確な結果を得るためには、感染の機会があった日から約4週間(1ヶ月)経過してから検査を受けるのが目安です。
感染直後は体内に抗体が十分に作られていないため、実際には感染していても検査結果が陰性になってしまう「偽陰性」が起こりやすくなります。不安だからといって行為の翌日や数日後に検査を受けても、正しい判定はできません。心当たりがある日から4週間以上待ってから採血をおこなうことで、信頼性の高い検査結果が得られます。もし4週間未満で検査を受けて陰性だった場合は、期間を空けて再度検査を受けることが推奨されます。
⚠ 包茎の方は
性病に感染しやすい
傾向があります
包茎が性病の感染リスクを高める理由
包茎の状態では包皮の内側に恥垢や湿気がたまりやすく、細菌やウイルスが繁殖しやすい環境になります。また、包皮の内側の粘膜は薄く傷つきやすいため、性行為時の微小な傷から病原体が侵入するリスクも高まります。WHOも2007年から包皮の状態が性感染症のリスク因子になり得るとして、男性の包皮切除を推奨しています。
※ 参考:WHO|Voluntary medical male circumcision for HIV prevention
包茎治療で感染リスクを下げられる可能性
南アフリカ・ケニア・ウガンダで行われたランダム化比較試験では、包皮切除を受けた男性のHIV感染リスクが48〜61%低下したと報告されています。さらに2017年のLancet Global Health誌に掲載された系統的レビューでは、包皮切除によりパートナーのクラミジア感染リスクが79%、梅毒が59%低減したというデータも示されています。
※ PMC|The role of STIs in male circumcision effectiveness against HIV / The Lancet Global Health|Effect of male circumcision on risk of STIs
性病の感染リスクを少しでも減らしたいとお考えで、包茎手術を検討中の方は、創業35年・診療実績35万件の男性専門クリニック「上野クリニック」にご相談ください。傷跡が目立ちにくい亀頭直下法を採用し、完全予約制・男性スタッフのみで対応しております。
血液検査で陽性となって梅毒が疑われたらどのような治療をおこなう?
血液検査で現在梅毒に感染している可能性が高いと判断された場合は、医療機関での治療が必要です。受診先の選び方から治療の流れ、その後の経過観察について解説します。
まずは泌尿器科や性感染症内科へ相談する
梅毒の疑いがある場合は、男性であれば泌尿器科や性感染症内科を受診してください。健康診断や術前検査で陽性を指摘された場合は、その結果票を持参するとスムーズです。上野クリニックでも、男性の性感染症に関する検査や治療に対応しています。プライバシーに配慮し、男性スタッフが丁寧に対応する環境を整えています。
治療にはペニシリン系抗菌薬を使用する
梅毒の治療には、ペニシリン系の抗菌薬(飲み薬)を使用するのが一般的です。医師の指示通りに毎日決まった回数を服用し続けることで、体内の梅毒トレポネーマを死滅させます。症状の進行度合いによって服薬期間は異なりますが、数週間から数ヶ月に及ぶこともあります。自己判断で服薬を中止すると再発や悪化のリスクがあるため、処方された薬は最後まで飲み切らなければなりません。
自由診療で梅毒の検査や治療を受ける場合、全額自己負担となります。検査費用は数千円〜1万円程度、治療薬の費用は1万〜数万円程度が一般的な相場です。ペニシリン系抗菌薬の副作用として、発疹や発熱、下痢などが起こる場合があります。治療開始直後に発熱や倦怠感が一時的に強まる「ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応」が見られることもありますが、通常は数日で治まります。
服薬終了後も定期的な数値の確認が必要
薬を飲み終えたからといって、すぐに完治と判断されるわけではありません。治療後は定期的に血液検査をおこない、RPR抗体の数値が順調に低下しているかを確認します。数値が一定の基準まで下がり、医師が治癒と判断するまでは通院を続ける必要があります。治療中や経過観察中は、パートナーへの感染を防ぐために性行為は控えてください。
性病が不安な方へ
上野クリニックでは性病の検査・治療に対応しています
全スタッフ男性 / 完全予約制 / 個室対応 / 全院駅から徒歩5分
検査費用
| 検査対応 | 検査方法 | 料金 |
| 淋病・クラミジア・一般細菌 | PCR尿検査 | 11,000円 (税込 / 1項目) |
| 一般細菌・カンジダ | 包皮培養 | |
| トリコモナス | 培地検査 | |
| HIV・梅毒・ヘルペス・B型肝炎・C型肝炎 | 血液検査 |
診察料が別途2,200円(税込)発生します
プライバシーに配慮した環境
上野クリニックは完全予約制で、医師を含む全スタッフが男性です。個室でのカウンセリング・診察に対応しており、周囲の目を気にせずご相談いただけます。全院が最寄り駅から徒歩5分以内にあり、仕事帰りや外出のついでにお越しいただけます。治療内容や費用はカウンセリング時にすべてご説明し、ご案内した費用以外の追加料金は発生しません。
梅毒の血液検査結果や受診に関するよくある質問
梅毒の血液検査や受診に関して、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
過去の梅毒感染歴は検査結果に一生残る?
TP抗体検査の結果は、一度梅毒に感染すると完治後も一生陽性として残るのが一般的です。これは体内に抗体が記憶されているためであり、現在病気であることを意味するものではありません。別の病気で術前検査などを受ける際に「梅毒陽性」と指摘されることがありますが、過去に治療を受けて完治している旨を医師に伝えれば問題ありません。
健康診断で見つかったら会社に報告される?
健康診断や人間ドックで梅毒の陽性が判明しても、その結果が本人の同意なしに会社へ報告されることはありません。医療機関には守秘義務があり、個人の検査結果は厳重に保護されます。ただし、梅毒は感染症法に基づく届出疾患であるため、診断した医師は保健所へ匿名で報告する義務があります。この報告によって会社や家族に感染の事実が知られることはありません。
検査結果が即日でわかる場所はある?
一部の医療機関や保健所では、採血したその日のうちに結果がわかる即日検査(迅速検査)を実施しています。即日検査は数十分程度で結果が判明するため、早く不安を解消したい方に向いています。ただし、即日検査で陽性疑いが出た場合は、より精密な血液検査を追加でおこない、確定診断を下す流れが一般的です。
まとめ
梅毒の血液検査は、TP抗体とRPR抗体の2つの数値を組み合わせて現在の状態を判断します。検査結果が陽性であっても、それが過去の感染の痕跡なのか、現在治療が必要な状態なのか、あるいは偽陽性なのかは、専門的な知識がなければ正しく見極められません。
健康診断や術前検査で陽性を指摘されたり、感染の心当たりがあって不安を感じていたりする場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。泌尿器科や性感染症内科で正確な診断を受け、必要であれば速やかに治療を開始することが、ご自身の健康とパートナーを守る第一歩となります。
SUPERVISING DOCTOR
監修医師
東京 上野クリニック上野本院院長
堀瀬 忠直
約28年間、包茎専門として経験を重ね、およそ1万5千件の手術をしてきました。その、豊富な実績により、どんな症例でも対応できる包茎手術のエキスパートです。是非一度、無料カウンセリングで直接お悩みをご相談ください。患者様がご満足いただける提案をさせていただきます
経歴
- 1993年 山梨大学医学部卒業
- 1993年 山梨大学麻酔科入局
- 1995年 青梅市立総合病院勤務
- 1995年 東京上野クリニック入職
- 1997年 東京上野クリニック上野本院院長
- 2019年 ウエノスキンサポート名古屋医院院長
- 2021年 東京上野クリニック上野本院院長
