尖圭コンジローマとは?症状・感染経路・検査・治療
性器や肛門周辺にイボのようなできものが見られる場合、尖圭コンジローマに感染している可能性があります。痛みや痒みが少ないため放置されがちですが、自然に消えることは少なく、パートナーにうつしてしまう恐れがあります。
尖圭コンジローマの症状の特徴や似ている病気との見分け方、検査・治療方法について詳しく解説します。
尖圭コンジローマとは
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって性器や肛門周辺にイボができる性感染症です。
主に性行為によって皮膚や粘膜の微小な傷からウイルスが侵入することで感染します。イボはカリフラワーや鶏のトサカのような独特の形状をしており、痛みや痒みを伴わないケースが多いのが特徴です。
原因となるHPVには多くの型がありますが、尖圭コンジローマを引き起こすのは主に6型と11型と呼ばれるタイプです。これらは良性のイボを形成するウイルスであり、がんの原因となる高リスク型とは異なります。ただし、他の性感染症を併発している可能性もあるため、自己判断せずに医療機関で診察を受ける必要があります。
コンジローマの症状
尖圭コンジローマの主な症状は、性器や肛門周辺にできるイボです。
感染する部位によってイボができやすい場所が異なります。男女別および部位別の主な症状は以下の通りです。
性別・部位 | イボができやすい場所 | 症状の特徴 |
男性 | 亀頭、冠状溝、包皮、陰茎の根元など | 白、ピンク、褐色などのイボが多発する |
女性 | 大小陰唇、膣前庭、膣内、子宮頸部など | イボが癒合して大きくなりやすい |
口腔内・肛門 | 唇、舌、喉、肛門の周囲や内側 | オーラルセックスやアナルセックスで感染する |
男性のコンジローマの症状
男性の場合、亀頭のカリ首(冠状溝)や包皮、陰茎の根元などにイボが発生します。
初期は1〜2mm程度の小さな突起ですが、進行すると数が増えたり、カリフラワー状に大きくなったりします。普段は包皮に覆われている部分にできやすいため、入浴時などに注意深く観察しないと気づきにくい傾向があります。排尿時の痛みなどは通常ありませんが、イボが擦れて出血することがあります。
女性のコンジローマの症状
女性の場合、大陰唇や小陰唇、膣の入り口(膣前庭)、会陰部などにイボができやすいです。
膣の内部や子宮頸部など、外からは見えない部分に発生することもあります。女性の性器周辺は湿度が高いため、イボが急速に増殖して大きく広がりやすい環境です。おりものの増加や、性交時の違和感・出血をきっかけに気づくケースが見られます。
口腔内(喉・唇)や肛門周辺の症状
オーラルセックスやアナルセックスによって、口の中や肛門周辺にもコンジローマが感染します。
口腔内では、唇、舌、歯茎、喉の粘膜などにイボができます。喉にできると、声のカスレや異物感が生じることがあります。肛門周辺のコンジローマは、肛門の周囲だけでなく直腸の内部にまで広がることもあり、排便時に出血や違和感を伴う場合があります。
コンジローマと似ている病気
性器周辺にブツブツとしたできものが生じる疾患には、尖圭コンジローマ以外にもいくつかあります。
生理的な変化で治療が不要なものから、別の性感染症まで様々です。代表的な似ている病気との違いを整理します。
疾患名 | 特徴 | 治療の要否 |
フォアダイス | 包皮や陰茎にできる白や黄色の小さな粒 | 不要(生理的なもの) |
真珠様陰茎小丘疹 | 亀頭の縁に1列または2列に並ぶ小さな突起 | 不要(生理的なもの) |
扁平コンジローマ | 平たくて湿ったイボ(梅毒の症状) | 必要(抗菌薬治療) |
フォアダイス
フォアダイスは、皮脂腺が皮膚の表面に透けて見えているものであり、病気ではありません。
包皮や陰茎の皮膚に、白や黄色の1mm程度の小さな粒がポツポツと現れます。尖圭コンジローマのようにカリフラワー状に大きくなったり、数が増殖して広がったりすることはありません。生理的な現象であるため、他人にうつる心配はなく、治療の必要もありません。
真珠様陰茎小丘疹
真珠様陰茎小丘疹(しんじゅよういんけいしょうきゅうしん)も、男性の性器に見られる生理的な変化の一つです。
亀頭のカリ首(冠状溝)の縁に沿って、真珠のような光沢のある小さな突起が規則正しく1列または2列に並んで生じます。尖圭コンジローマは不規則に様々な大きさのイボができるのに対し、真珠様陰茎小丘疹は大きさが揃っており、規則的に並ぶのが特徴です。こちらも感染症ではないため、治療は不要です。
扁平コンジローマ(梅毒)
扁平コンジローマは、梅毒の第2期に現れる症状の一つです。
尖圭コンジローマが先が尖ったようなイボになるのに対し、扁平コンジローマは表面が平らで湿り気を帯びたイボが肛門や外陰部に発生します。梅毒トレポネーマという細菌の感染が原因であり、放置すると脳や心臓など全身の臓器に深刻な障害を引き起こす恐れがあります。血液検査で梅毒の感染を確認し、適切な抗菌薬による治療を受ける必要があります。
コンジローマの感染経路
尖圭コンジローマは、主に性行為やそれに準ずる親密なスキンシップによって感染します。
膣性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも、粘膜や皮膚の微小な傷からヒトパピローマウイルス(HPV)が侵入します。ウイルスの感染力は比較的強く、コンドームを使用しても覆われていない部分の皮膚が接触すれば感染を防ぎきれません。
また、ウイルスが付着した手や指で性器に触れたり、タオルや下着を共有したりすることで感染するケースも稀に報告されています。
コンジローマの潜伏期間
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染してからイボなどの症状が現れるまでの潜伏期間は、3週間から8ヶ月程度と幅があります。
平均すると約2.8ヶ月(3ヶ月弱)で発症するとされています。潜伏期間中は目に見える症状がないため、本人が感染に気づかないままパートナーにうつしてしまうリスクがあります。数ヶ月前の性行為が原因で発症することもあるため、直近のパートナーだけでなく、過去のパートナーとの接触も考慮して感染経路を振り返る必要があります。
コンジローマを放置した場合のリスク
尖圭コンジローマを治療せずに放置すると、症状が悪化するだけでなく、周囲への感染リスクも高まります。
イボの増殖や、将来の妊娠・出産への影響など、放置することで生じる主なリスクを解説します。
イボの増殖と周辺部位への広がり
尖圭コンジローマのイボは、自然に消滅することは少なく、時間の経過とともに数が増えたり大きくなったりします。
特に性器周辺は温かく湿度が高いため、ウイルスが増殖しやすい環境です。小さなイボが癒合して巨大なカリフラワー状の腫瘤(しゅりゅう)になることもあります。イボが大きくなると、下着との摩擦で出血や痛みを伴うようになり、日常生活に支障をきたします。また、イボが増えるほど治療に時間がかかり、再発のリスクも高まります。
妊娠・出産や新生児への影響
女性が尖圭コンジローマに感染したまま出産を迎えると、産道を通る際に新生児にウイルスが感染する恐れがあります。
新生児に感染した場合、「多発性乳頭腫(たはつせいにゅうとうしゅ)」と呼ばれるイボが喉や気管に発生することがあります。これにより、赤ちゃんの呼吸が妨げられる危険性があります。産道感染を防ぐため、出産時にイボが残っている場合は帝王切開が選択されるのが一般的です。妊娠を希望する方は、事前に検査と治療を済ませておくことが望まれます。
子宮頸がんなど悪性腫瘍との関係
尖圭コンジローマの原因となるHPV6型や11型は、良性のイボを形成する「低リスク型」のウイルスであり、これ自体ががん化することは極めて稀です。
しかし、性行為を通じて感染するため、子宮頸がんなどの原因となる「高リスク型」のHPVにも同時に感染している可能性があります。コンジローマを発症した場合は、他の性感染症や高リスク型HPVの感染の有無も併せて検査し、総合的なリスクを評価するよう推奨されます。
コンジローマのセルフチェックと検査を受けるタイミング
性器や肛門周辺、口腔内に不自然なブツブツやイボを見つけたら、早めに医療機関を受診する目安となります。
尖圭コンジローマは痛みや痒みがないことが多いため、「痛くないから大丈夫」と自己判断して放置するのは危険です。特に、イボの表面がザラザラしている、カリフラワーのように盛り上がっている、徐々に数が増えているといった場合は、感染の可能性が高いと考えられます。
また、パートナーが尖圭コンジローマと診断された場合は、自分に症状がなくても潜伏期間である可能性があるため、速やかに検査を受けてください。
コンジローマの検査方法
尖圭コンジローマの検査は、主に医師による視診で行われます。
症状や状態に応じて、確定診断のために組織の一部を採取する検査が追加されることもあります。
医師の視診による診断
尖圭コンジローマはイボの形状に特徴があるため、熟練した医師であれば視診(目で見て確認すること)で診断が可能です。
イボの大きさ、数、色、表面の形状などを観察し、フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹といった生理的な変化や、他の性感染症による症状と見分けます。視診のみで診断がつく場合は、その日のうちに治療方針を決定し、治療を開始することができます。
病理組織検査・HPV検査
視診だけでは診断が難しい場合や、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には、病理組織検査が行われます。
イボの一部を小さく切り取り、顕微鏡で細胞の形態を詳しく調べる検査です。また、原因となっているウイルスの型を特定するために、採取した組織を用いてHPV検査(核酸増幅法など)を行うこともあります。これらの検査を行った場合、結果が出るまでに数日から1週間程度の日数がかかります。
コンジローマの治療方法
尖圭コンジローマの治療は、目に見えるイボを取り除くことが基本となります。
イボの大きさ、数、発生している部位に応じて、塗り薬による治療か、外科的な治療を選択します。
塗り薬(外用薬)による治療
比較的小さなイボや、広範囲に散在している場合には、塗り薬(イミキモドクリームなど)による治療が行われます。
この薬は、ウイルスに対する免疫力を高めることでイボを消失させる働きがあります。患者自身が患部に薬を塗布するため、通院の負担が少ないのが利点です。ただし、効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかることがあり、塗った部分の皮膚に赤みやただれ、痛みなどの副作用が生じる場合があります。
外科的治療(電気メスによる焼灼・切除術など)
イボが大きい場合や、塗り薬で効果が見られない場合、あるいは早くイボを取り除きたい場合には、外科的治療が選択されます。
局所麻酔を行った上で、電気メスやレーザーを用いてイボを熱で焼き切る(焼灼術)、あるいはメスで切り取る(切除術)方法です。また、液体窒素を用いてイボを凍らせて壊死させる凍結療法が行われることもあります。外科的治療は、物理的にイボを一度に取り除けるため、即効性が高いのが特徴です。治療後は患部が軽い火傷や擦り傷のような状態になるため、治癒するまで軟膏を塗ってケアを行います。
完治の基準と治療期間の目安
尖圭コンジローマの治療目標は、目に見えるイボを完全に消失させることです。
しかし、イボが消えても皮膚や粘膜の細胞内にウイルスが潜伏している可能性があるため、すぐに完治とは診断されません。一般的には、治療を終えてから3ヶ月間、新たなイボの再発がないことを確認できた時点で完治とみなされます。
治療期間は、イボの数や選択した治療法によって異なりますが、数週間から数ヶ月を要することが多く、根気強く治療を続ける姿勢が求められます。
コンジローマの検査・治療の費用
性感染症の検査や治療には、健康保険が適用される「保険診療」と、全額自己負担となる「自由診療」があります。
保険診療は費用を抑えられますが、検査項目や治療法、処方できる薬に制限があります。一方、自由診療は保険証を提示する必要がないため、医療費の通知などから家族や勤務先に受診の事実を知られにくいというプライバシー上のメリットがあります。また、患者の希望に合わせた柔軟な治療法の選択が可能です。
自由診療の場合、治療内容によって費用が異なるため、事前に料金体系を確認しておくことをお勧めします。
コンジローマの再発防止とパートナーへの対応
尖圭コンジローマは、イボを取り除いた後もウイルスが体内に残存しやすく、再発率が高い疾患です。
現在の医療では、HPVを体内から完全に排除する薬はありません。そのため、疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下すると、再びイボが現れることがあります。規則正しい生活を送り、免疫力を維持することが再発防止に繋がります。
また、自分だけが治療を終えても、パートナーが感染していれば、性行為によって再び感染する「ピンポン感染」が起こります。感染が判明した際はパートナーにも事実を伝え、同時に検査と治療を受けるよう促す行動が求められます。
コンジローマの予防方法
尖圭コンジローマの予防には、性行為時のコンドームの適切な使用が有効です。
コンドームを使用することで、ウイルスを含む分泌物や粘膜の直接的な接触を減らすことができます。ただし、コンドームで覆われていない陰茎の根元や陰嚢などの皮膚が接触すれば感染するリスクがあるため、完全に防げるわけではありません。
また、HPVワクチンの接種も予防の選択肢となります。ワクチンは特定の型のHPV感染を予防する効果があり、コンジローマの原因となる6型・11型に対応したワクチンも存在します。
包茎とコンジローマの関係
男性の場合、包茎の状態が尖圭コンジローマの感染や悪化のリスクを高める要因となります。
亀頭が常に包皮で覆われていると、恥垢(ちこう)と呼ばれる汚れが溜まりやすく、不衛生な状態になりがちです。また、包皮の内側は湿度が高く保たれるため、HPVなどのウイルスが増殖するのに適した環境となってしまいます。
コンジローマの再発を繰り返す場合や、亀頭周辺の衛生状態を改善したい場合は、包茎治療(環状切除術など)を受けることも根本的な対策の一つとして検討されます。
コンジローマに関するよくある質問
尖圭コンジローマに関して、患者様から寄せられる疑問にお答えします。
男性はコンジローマを何科で受診すべきですか?
男性の場合は、泌尿器科や性病科(性感染症内科)を受診してください。
イボが肛門周辺にある場合は、肛門科や消化器外科でも対応可能な場合があります。上野クリニックでは、男性の性器周辺の症状に対する検査・治療を行っており、プライバシーに配慮した環境で診察を受けていただけます。
性行為の覚えがないのにコンジローマに感染しますか?
尖圭コンジローマの潜伏期間は数週間から数ヶ月(長い場合は8ヶ月程度)と幅があるため、直近の性行為に覚えがなくても、過去のパートナーから感染していたウイルスが時間を置いて発症した可能性があります。
また、極めて稀ですが、ウイルスが付着した手やタオルなどを介して感染するケースも否定はできません。
コンジローマは自然に治りますか?
尖圭コンジローマのイボが自然に消滅することは非常に稀です。
放置するとイボが大きくなったり数が増えたりして、治療がより困難になります。また、無症状のままパートナーに感染を広げてしまうリスクがあるため、自然治癒を期待せずに医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
コンジローマは市販薬(ヨクイニンなど)で治せますか?
市販のイボ治療薬やヨクイニン(ハトムギエキス)などの内服薬では、尖圭コンジローマを治すことはできません。
市販のイボ治療薬は、手足にできる尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)などを対象としており、デリケートな性器周辺の粘膜に使用すると強い炎症や痛みを引き起こす恐れがあります。自己判断で市販薬を使用せず、医師の処方による適切な治療薬を使用してください。
コンジローマになると不妊になりますか?
尖圭コンジローマそのものが直接的な原因となって不妊症になることは、基本的にはありません。
ただし、コンジローマに感染しているということは、クラミジアや淋病など、不妊の原因となり得る他の性感染症にも感染しているリスクがあります。また、女性が感染したまま出産を迎えると新生児に産道感染する恐れがあるため、妊娠前に完治させておくことが望ましいです。
SUPERVISING DOCTOR
監修医師
東京 上野クリニック上野本院院長
堀瀬 忠直
約28年間、包茎専門として経験を重ね、およそ1万5千件の手術をしてきました。その、豊富な実績により、どんな症例でも対応できる包茎手術のエキスパートです。是非一度、無料カウンセリングで直接お悩みをご相談ください。患者様がご満足いただける提案をさせていただきます
経歴
- 1993年 山梨大学医学部卒業
- 1993年 山梨大学麻酔科入局
- 1995年 青梅市立総合病院勤務
- 1995年 東京上野クリニック入職
- 1997年 東京上野クリニック上野本院院長
- 2019年 ウエノスキンサポート名古屋医院院長
- 2021年 東京上野クリニック上野本院院長
FLOW
診療の流れ
-
WEB・ LINE
での予約上野クリニックは完全予約制です。ご希望があれば当日に治療を受けることも可能です。
-
医師によるカウンセリング
当院の医師/担当医師が診察を行い、ペニスの状態を丁寧に確認いたします。
-
お会計
費用は事前に明確にお伝えするため、追加料金が発生する心配はありません。
-
施術
手術にかかる時間はおよそ40〜50分で、施術後はそのままご帰宅いただけます。
-
ご帰宅
手術後は体調を確認したうえで、そのままご帰宅いただけます。