包茎が性感染症の原因にならないかと、不安に思う人も多いでしょう。
包茎は、性感染症の原因となることがあります。不衛生になりやすいため、性感染症を発症するリスクもあります。パートナーに病気を移してしまう可能性も出てきます。
この記事では、包茎のタイプによって発症し得る主な性感染症とその症状、および包茎が原因の性感染症を予防する主な治療法についてご紹介します。
最初に、包茎とはどのようなものか、および包茎が原因で病気になる可能性があるかについて見ていきましょう。
包茎とは、ペニスを包む「包皮」の先端が狭いために、亀頭が露出できない状態です。本来であれば、個人差はありますが、中学生~高校生くらいまでの成長期にかけ、包皮が自然にむけて亀頭が露出するようになりますが、そうならなかったケースを指します。
包茎には、大きく分類すると、
・仮性包茎
・真性包茎
・カントン包茎
の3種類があります。
包茎は、ペニスが包皮で覆われているために「恥垢」と呼ばれるアカが溜まりやすくなります。恥垢は、悪臭や炎症を引き起こす原因となることがあります。また、放っておくと病気を発症する場合もあります。
包茎のうち、特に真性包茎とカントン包茎については早期の治療が望ましいといえます。
包茎のタイプ別に、発症し得る主な病気とその症状を見ていきましょう。
仮性包茎は、平常時は亀頭が包皮に覆われているものの、勃起時には露出が可能なタイプの包茎です。
仮性包茎は、ペニスが包皮に覆われていることにより、不衛生になりがちです。そのために、包茎ではない人と比較して性感染症にかかりやすいといわれます。性感染症が発症した状態で性行為をした場合、パートナーに性感染症を移してしまう可能性もあります。
また、包皮に覆われていることにより、亀頭が敏感になりやすくなります。そのために、早漏で悩む人もいます。
真性包茎は、平常時および勃起時のどちらにおいても、亀頭が包皮に覆われているタイプの包茎です。亀頭が常に包皮に覆われているために、不衛生になりやすく、雑菌の繁殖による炎症をくり返すことにより、亀頭と包皮が癒着する危険性があります。
勃起不全や男性不妊になるリスクがあり、性行為の際に痛みを感じることがあります。排尿障害や亀頭包皮炎を発症するケースもあり、恥垢が石化し、亀頭を変形させる可能性もあります。
カントン包茎(嵌頓包茎)は、包皮の先端が狭く伸展性が低いタイプの包茎です。包皮を無理にむいてしまうと、包皮口が亀頭の根元を締めつけ、亀頭部分がうっ血するおそれや、包皮に裂創ができる可能性があります。
うっ血した状態が続いた場合、亀頭が壊死する危険性があります。性交渉の際に意図せずに包皮がめくれてしまうことがあるため、注意が必要です。
包茎が原因となる病気を予防するためにはどうすればいいのでしょうか?主な治療法を見ていきましょう。
包茎が原因となる病気を予防するために一般的な治療法は、包茎手術です。包茎手術は、ペニスの余分な包皮を切除することにより、包茎を改善する治療法です。
手術法として主に用いられるのは、環状切開術および背面切開術です。仮性包茎を治療する際には環状切開術が用いられることが多くなります。真性包茎やカントン包茎の治療には、背面切開術が主に用いられます。
包茎手術は、一般病院の泌尿器科や包茎治療専門のクリニックで施術を受けることができます。仕上がりにこだわる場合には、専門クリニックでの治療がおすすめです。一般病院は治療を目的とするために、仕上がりの見た目は二の次になる可能性があるからです。
包茎が原因となる病気を予防するために、包茎矯正器具が用いられることもあります。包茎矯正器具は、装着することにより日常的に亀頭を露出させ、包皮にむけ癖をつけるためのものです。リングタイプ、下着タイプ、および接着剤タイプなどの包茎矯正器具が一般に治療に用いられます。
包茎矯正器具は、効果に個人差があるために、使用にあたって十分に注意が必要です。製品の中には医学的に根拠がないもの、あるいは安全性に対する配慮が欠けたものもあります。医師の指示のもとに治療を行うことが大切です。
以上のように包茎は、さまざまな病気の原因となることがあります。特に、性感染症の場合にはパートナーに病気を移してしまうこともあります。病気を予防するためにしっかりとした治療を行うことが望ましいといえるでしょう。
包茎の治療を検討する際には、専門クリニックでカウンセリングを受けてみることがおすすめです。カウンセリングでは、症状を診察したうえで、担当医師から治療法の提案を受けることができます。疑問や不安を相談することもできますので、治療に対する考えを明確にすることができるでしょう。
ただ、ひとくちに包茎手術といっても、クリニックや医師によって仕上がりレベルには大きな差があります。手術を決断するのであれば、できるだけ跡の残らないきれいな仕上がりを望むものです。
最初の一歩としては、無料カウンセリングを受けてクリニックや医師などを確認して、納得できるところで治療することだと思います。
この記事の監修医師
東京上野クリニック上野本院院長
経歴